AUTOSARではECUソフトウェアは抽象化され、BSW (ベーシックソフトウェア) 、RTE (Runtime Environment) とアプリケーションレイヤーに細分化されます。

ベーシックソフトウェアはレイヤーにグループ化され、多くの事前定義されたモジュールで構成されています。Microcontroller Abstraction Layer (MCAL) は、例えばメモリー、通信、マイクロコントローラの入出力(IO)などにアクセスするためのドライバーを提供しています。

ECU Abstraction Layer (ECUAL) は通信、メモリー、IOなど、これらの機能がマイクロコントローラの一部または周辺コンポーネントに実装されているかに関係なく、ECUの全機能への均一なアクセスを提供しています。

Service Layer はアプリケーション層用のネットワークサービス、メモリー管理、バス通信サービスなどの異なるタイプのバックグラウンドサービスを提供しています。オペレーティングシステム (OS) はこの層に含まれています。

Runtime Environment (RTE) はベーシックソフトウェアからアプリケーション層を抽象化します。これはアプリケーション層の実行時の動作を制御し、データ交換を実装します。アプリケーション層ではECUのアプリケーション機能は各ソフトウェアコンポーネントとして実装されています。

このレイヤーモデルは異なるハードウェアにソフトウェアを移植する事を簡素化します。このような移植は不完全に設計されたソフトウェアアーキテクチャの場合、以前はアプリケーション層に広範囲な変更を必要としていました。AUTOSARで必要なのは、MCAL内の全マイクロコントローラ固有のドライバーを置き換えることです。ECU abstraction layer内のモジュールを再設定する必要があり、他の全レイヤーは移植の影響を受けません。これは実装、テスト作業など関連するリスクを大きく低減します。

Layer Model interactive


最終更新日時: 2019年 08月 27日(火曜日) 15:19