AUTOSAR ECUのテストを実施する時には、異なる内部ソフトウェアアーキテクチャのECUと同じ方法を使用する事が出来ます。ECUをブラックボックスとして見た場合、次の項目だけを考慮する必要があります:

  • Network Management:
    AUTOSARはOSEK NMのような以前使用されていたプロトコルと異なり、独自のネットワークマネージメント(NM)プロトコルを定義しています。テスト環境はこのNMプロトコルを考慮しなければならず、正しく準備し、ネットワークチャンネルで関連メッセージを処理します。
  • ネットワーク通信記述用のファイルフォーマット:
    AUTOSARでのネットワーク通信記述はSystem Descriptionの一部です。OEM要件に応じて.dbc、.FIBEX、.ldfなどの以前のフォーマットが新しいフォーマットに置き換えられます。テスト環境はこのフォーマットを処理出来なければなりません。

ECUのテストとデバッグでの付加価値としてAUTOSARは各AUTOSAR ECUに存在する特定のステート変数を保証しテスト環境で利用する事が出来る標準内部ソフトウェアアーキテクチャを提供しています。例としてEcuMモジュールで利用可能なECUステートと、ComMモジュールに格納されている各ネットワークチャンネルの通信ステートです。BSWモジュールの適切な実装により、例えばネットワークの1つかJTAGまたはNexusなどのデバッグインターフェースでECUへのXCP接続経由でステート変数にアクセスする事が可能となります。これらのステート変数用のmatching description file (A2L) がBSWジェネレーターにより提供出来ます。代替手段としてはAUTOSARで定義されたMonitoring and Debugging プロトコルが使用出来ます。

AUTOSARはアプリケーションレベルへのアクセスでメリットを提供しています。例えば、RTEはSWC間でデータ交換が可能になるような方法で生成する事が出来ます。繰り返しになりますが、適切なA2LファイルはRTEジェネレーターで生成する事が出来ます。


最終更新日時: 2019年 03月 6日(水曜日) 09:22