FlexRayは最大10Mbit/sのデータ速度で設計されている。この速度とコストのかかるシールド線の省略は電磁互換性を確保するのに大きな挑戦となる。そのため、FlexRay物理層は高周波干渉フィールドと静電放電(ESD)、ノイズ排出量を削減するための特定のメカニズムを定義する。

FlexRayクラスター内の物理信号送信は作動電圧伝送に基づいている。このアプローチはモーター、イグニッションユニット、スイッチ接点から誘導される干渉電圧を無害化させる。 電磁波放出は比較的低い作動電圧によって制限される(バスレベル”Data_1”用の2ボルト、バスレベル”Data_0”用の-2ボルト)。

差動信号伝送のためFlexRayは2本線で構成されている:Bus Plus (BP) と Bus Minus (BM)。通常、実際に使用されるのはツイストペア線で2本線のねじれは磁場をかなり減少させる-コスト削減のため通常はシールドが無い。

限られた信号伝搬速度により高いデータ速度とバス長が増加する事で過渡応答(反射)の影響が増加する。 終端抵抗による通信チャンネル両端の終端によってFlexRayクラスターでの反射を防ぐことが出来る。

仕様は40~55Ω間の負荷を指定するため、バスの終端抵抗値は80~110Ω間である必要がある。したがって、送信に使用されるケーブルのインピーダンスは80~110Ω間でなければならない。

各通信チャンネルの終端に各バス終端抵抗を提供する代わりにFlexRayバスの両端は分割バス終端で終端出来る。分割バス終端はローパスフィルターのように動作し、高周波信号が直流電圧の関係に影響を与えずにグランドにシャントされる。


最終更新日時: 2018年 12月 4日(火曜日) 11:13