最大254バイト(Payload)のユーザーデータを1つのメッセージで送信する事が出来る。パラメーターPayload LengthがPayloadのサイズをWordで表す。Payload LengthはStatic Segmentで送信される全メッセージで同じ値になる。システム設計者はConfigurationフェーズ中にこの値を定義する必要がある。Dynamic Messageは固定Payload sizeに制限されていないため、Payload長はメッセージごと異なる値を仮定できる。
Static Segmentで送信されるメッセージでは、Network Management Vectorを送信するために最初の12バイトを使用する事が可能となっている。これにはヘッダー内のPayload Preamble Indicatorを設定する必要がある。Network Management VectorはFlexRayクラスター内のネットワーク管理を実装するために利用可能となっている。
Payload Preamble Indicatorが動的FlexRayメッセージに設定されている場合、PayloadがNetwork Management Vectorで始まる事を示している。Dynamic Messageでは、これが最初の2バイトはメッセージ識別子である事を示す。メッセージ識別子はシステム設計者により正確にPayloadを指定する方法を提供し、それが受諾フィルターで細かな区別を行うための基礎として使用出来る。
特殊なケースでは、送信機はメッセージのPayloadを排他的に0で送信する事がある。このような場合ではFlexRayコントローラーは通信スケジュールに従ってStatic Messageを送信する必要が存在する時に、メッセージに対応するバッファーはhostによってブロックされる。例えば特定の瞬間にHostがこのバッファーにアクセスしている場合に発生する可能性がある。FlexRayコントローラーはバッファー内のデータにアクセス出来ないため、自動的にNULLフレームなどのStatic Messageを送信する。この場合では、Null Frame Indicatorがメッセージヘッダーで値0を前提としている。
Payloadを保護するためにCRC方式(CRC:Cyclic Redundancy Check)が使用されている。これは非常に強力なエラー検出方式になる。CRC方式の枠組み内でCRCシーケンスはヘッダーとペイロードとFlexRay仕様に定義された生成多項式に基づいて計算される。CRCシーケンスはトレーラーとしてヘッダーとペイロードに追加される。
メッセージ用のCRCシーケンスはヘッダーとペイロードの倍数に対応している。メッセージの受信機は非常に高い信頼性を持つ送信エラー検出が行える。エラーは生成多項式による除算が剰余を生成する時に検出される。最大248バイトまでのペイロードを使用してCRC方式はハミング距離6を保証する。大きなペイロード用のハミング距離は4で、その結果低いエラー検出能力となる。