位相補正はFlexRayノードのローカルクロックが同じ位相を持ち、通信サイクルが常に同じ時間に開始される事を保証する。追加の補正メカニズムが無ければシステムレイアウトは常にローカルクロックの最大偏差に基づかなければならない。

つまりローカルクロック用の2つの最大偏差3000ppmと周期時間10mSを意味し、例えばサイクルの最後に可能な最大データ転送速度をかなり落としてしまう30mSのドリフトが蓄積される。

タイムトリガー型の通信システムの帯域幅効率の向上は、周波数補正を補足使用する事によって達成出来る。位相補正だけが周波数偏差状態を扱い、周波数補正は周波数偏差の原因に対処する。

しかし、水晶発振器の周波数を直接変更する事は出来ないので、これは簡単では無い。したがって、水晶発振器の周波数をFlexRayノードのローカルなtime baseに変換する分周器が役に立つ。分周比を変更する事により、全FlexRayノードの通信サイクルの終わりが同じ長さになるようにローカルクロックを進めたり遅らせたりする事が可能になる。

ほぼ全てのローカルクロックが周波数補正の結果で同じ速度で動作し、複数の通信サイクルの同期に必要な同期メッセージに起因する過渡的干渉にも関わらず、ローカルクロックの偏差は定義の制限内に収まる。周波数補正の使用は一時的な障害に対してのFlexRayクラスター内のクロック同期に非常に高い堅牢性を実現させる。クロック同期の障害が複数の通信サイクルに耐える事が出来る。


最終更新日時: 2018年 11月 29日(木曜日) 16:20