FlexRayクラスター内の物理信号伝送は差電圧(差動信号伝送)の送信に基づいている。したがって、伝送媒体(FlexRayバス)はBus Plus(BP)とBus Minus(BM)の2本線で構成されている。

電気物理層仕様はレセシブまたはドミナントバス状態のいずれかに割り当てられる4つのバスレベルを定義している。レセシブのバス状態は0Vの作動電圧で特徴付けられる。一方でドミナントのバス状態は0Vでは無い作動電圧となる。

IdleバスレベルとIdle low powerバスレベルの両方はレセシブになる。Idleバスレベルは2.5Vの電位を示す2本線によって特徴付けられ、結果として差電圧は0ボルトとなる。バスレベルの有効範囲は1.8V~3.2Vになる。

全FlexRayトランシーバーがlow-powerモードの時にFlexRayバスがIdle low powerバスレベルになる。このバスレベルは作動電圧0Vによって特徴付けられるが、この場合の配線は0Vの電位を示す。ここでの有効な値は-0.2V~0.2Vになる。

Data_1とData_0の2つのバスレベルはドミナントのバスレベルになる。Data_1バスレベルではBPバス線は3.5Vの電位となり、BMバスラインは1.5Vの電位になる。その結果、作動電圧は2Vとなる。

Data_0バスレベルではBPバス線は1.5Vの電位となり、BMバスラインは3.5Vの電位になる。その結果、作動電圧は-2Vとなる。Data_0バスレベルは論理0を表している。

バスの状態とバスレベルは図“バスレベル”で見ることが出来る。また送信機と受信機の関連電圧のしきい値も表示される。


最終更新日時: 2018年 12月 4日(火曜日) 11:14