データフレームはCANネットワークの中心的役割を負い、ユーザーデータを送信するのに役立つ。 データフレームは様々なコンポーネントで構成される。 個々のコンポーネントは送信中に重要なタスクを実行する。 実行されるタスクは次のとおり:
データフレームの送信はスタートビット(Start Of Frame – SOF)から始まる。 これはネットワーク全体を同期するために使用され、レセシブレベル(バスアイドル)から信号のエッジを生成するドミナントレベルとして送信機によって送信される。受信機がフレーム送信中の送信機への同期を失わないようにするため、全てのレセシブからドミナントへの信号のエッジをプリセットされたビットタイミングと比較する。 逸脱している場合、受信機は関連する位相誤差の量によって再度同期を行う(再同期)
SOFの後には識別子(ID)が続く。 これはデータフレームの優先度を設定し、受諾フィルタと一緒に通信マトリクスで定義されているCANネットワークの送信機と受信機の関係を与える。 次はRTRビット(Remote Transmission Request Bit)が来る。 これはフレームタイプ(データフレームまたはリモートフレーム)を受信機に知らせるために送信機によって使用される。 RTRビットがドミナントの場合はデータフレームを示す。
次のIDEビット(Identifier Extension bit)は標準フォーマットと拡張フォーマットを区別するのに役立つ。 標準フォーマットでの識別子は11ビットで、拡張フォーマットでは29ビットになる。 図”標準フォーマットと拡張フォーマットでのデータフレーム”は2種類のフォーマットを学習するために使用できる。
DLC(Data Length Code)は受信機にペイロードのバイト数を伝える。 ペイロードのバイトはデータフィールドで運ばれる。 1つのデータフレームで最大8バイトを運ぶ事ができる。
ペイロードはデリミタビットで終了する巡回冗長検査:Cyclic Redundancy Check(CRC)を使用したチェックサムで保護される。 CRCの結果に基づき、受信機はデリミタビットの次のACKスロット(アクノリッジメント)で応答をポジティブまたはネガティブで返す。
データフレームの送信は7ビット長のレセシブビット(End Of Frame - EOF)によって終了する。
CANデータフレームの知識をより深く強化するのに、図”標準フォーマットでのデータフレームの物理伝送”と2つの演習が利用できる。 図はHigh-Speed CANネットワークにおける標準フォーマットのデータフレームにおける物理的な伝送を示す。 レイアウト演習では、正しい順序で標準フォーマットのデータフレームの全コンポーネントを配置し練習できる